環境への取組み
高炉セメントは、省資源・省エネルギー・炭酸ガス排出量抑制に貢献する地球にやさしいセメントとして各方面でその利用が推奨されています。
天然資源保護
高炉セメントは普通ポルトランドセメントと比較して銑鉄の副産物(高炉スラグ)を利用しているので、セメントを製造する際に使用する石灰石、珪石、石炭などの天然資源が保護できます。
最近では、石炭灰、各種汚泥、廃プラスチック等の廃棄物をセメント原燃料としてリサイクル使用してます。
省エネルギー
銑鉄の副産物を乾燥粉砕した高炉スラグ微粉末(エスメント)は、普通ポルトランドセメントのような焼成工程を必要としないため、製造に必要なエネルギーを節減できます。高炉セメントは普通ポルトランドセメントにエスメントを混合した製品ですので、混合比率に応じたエネルギーを節減できます。
地球温暖化防止
エスメントは普通ポルトランドセメントのような焼成工程がないため、石灰石の脱炭酸や燃料の燃焼による炭酸ガスの発生がほとんどありません。したがって、高炉スラグ(エスメント)の分量が多い高炉セメントほど炭酸ガスの排出量は減少します。高炉セメントB種は、スラグを40~45%混合していますので、普通ポルトランドセメントに比べて炭酸ガスの排出量を約40%削減できます。
CO2排出量 (kg/㌧) ※1 |
セメント1㌧あたりの使用量 | |||
---|---|---|---|---|
石灰石 (kg/㌧) |
石炭 (kg/㌧) |
電力 (kwh/㌧) |
||
ポルトランドセメント① |
768 | 1,111 | 95 | 30 |
高炉セメントB種② |
437 | 622 | 56 | 21 |
削減量(①-②) |
331 | 489 | 39 | 9 |
削減率(%) |
43% | 44% | 41% | 30% |
出典:セメントLCIデータの概要(セメント協会2016年度実績)
※1 購入電力分を含まない
※2 焼成用および自家発電用の合計
耐久性向上
高炉セメントやエスメントを用いると、長期の強度が増進するだけでなく、コンクリートの水密性や化学物質に対する抵抗性。アルカリ骨材反応抵抗性、塩分の遮へい性などの耐久性が向上するため、構造物は長持ちします。すなわち、構造物のライフサイクルが長くなり、メンテナンスやスクラップ&ビルドに伴うエネルギーや資源を節減することができます。
高炉セメントB種、低熱高炉セメントB種は「国等による環境物品等の調達推進等に関する法律」(グリーン購入法)の特定調達品目に適合する地球環境にやさしいセメントです。
また、「エスメント」および「エスメントスーパー」は、環境への負担が少なく、地球保全に役立つ商品として(財)日本環境協会が運営するエコマークの認定を受けています。